名古屋高等裁判所 昭和28年(う)4号 判決
公訴事実には、被告人が本件焼酎約三斗四升四合を買受け居宅に所持していたとあるが、原判決の犯罪事実には、買受けた点を記載しないで、所持した点のみを記載したことは、所論の通りであるが起訴状記載の罰条は、酒税法第五十三条第六十二条であつて、同法第五十三条は、密造酒類等の所持及び譲受けを禁止した条文で、買受けという文句を使用してないが起訴状には買受けの文句を使用しているが譲受けの文句は使用していないことや、原審の訴訟の進行に照して考えると起訴状に買受けと記載したのは、所持形態を具休的に説明したもので、所持以外に別個の訴因を示していないものと認むるのが相当である。果して然らば原判決は、審判の請求を受けた事件について審判しない違法はなく、論旨は理由がない。